旅立ち

9/22
前へ
/1122ページ
次へ
「……お前達は何者だ?」 クルドは二人に問い掛けた。 「私達は冒険者よ……そう言う貴方は?」 答えたのは女性の方だった。 「ただの旅人だ……見て解らないのか?」 「ただの?…なら、その不気味な猫は何なのかしら?」 女性はレオを一瞥して聞いてきた。 「コイツは俺の使い魔だ」 「使い魔?……何を言ってるの?」 クルドの言葉に女性は眉間にシワを寄せて訝しげに聞いた。 「使い魔を知らんのか?……ふむ、西方大陸の者は魔法に疎いと聞いたがここまでとはな…」 魔法と言う単語を聞いて二人はにわかに殺気立った。 「成る程、貴様だったか……フンッ…上手く人間に化けたものだな」 それまで黙っていた男性が機械仕掛けの大剣を突き付けて言った。 「そうね……フランツとルーナはまだ来てないけど……ここで仕留めさせて貰うわ」 女性も長銃を構えてそう言った。 「やれやれ……何やら誤解してる様だな……どうする、クルドよ?」 「掛かって来る以上殺るしかないだろう……レオ、そっちの女を頼む」 「……是非も無しか……あいわかった…」 クルドはトランクケースから真っ黒い禍々しいオーラを放つワンドを取り出して左手に持ち、右手に蒼い刀身の剣を構えた。 レオは一瞬で猫から豹のサイズまで巨大化して女性に向き合った。
/1122ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3349人が本棚に入れています
本棚に追加