5.①

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はぁー、俺って、ほんっとにサイテー。 バイトから帰って来て、俺はいつもと同じようにキッチンのテーブルに作り置きされていたオムライスを食べた。 もう見慣れてしまった『ようLOVE』の文字。 極めようと、毎日のように作られる碧のオムライスは不思議と飽きることはなかった。 まぁ、元々オムライス好きだし。 つか、日に日に俺好みの味になってきてるのが嬉しいというのか面白くて、今日も美味くなってんのかな?とか何気に一日の締め括りの楽しみの一つになってしまっていたりした。 よくやるよなぁ、碧も。 俺に喜んでもらう為とか言って、毎日毎日料理なんかして。 勉強だって大変だろうに…。 なんたって碧の通う高校は県内でもトップクラスの進学校。 大学進学は当然で、大半が国立大目指してるって聞いたことあるんだけど、碧のやつ、大丈夫か? こんなことしてて。 そんなに勉強してるようには見えないんだけどなー。 そう言えばりょーちんもそうだったよな。 俺と同じように部活とかしてたくせに、ちゃっかりそんな高校に合格して生徒会長までやってたんだから。 元の出来が違うっていいよなー。 尚且つ二人ともルックスだって申し分ないし、天は二物を与えないって、やっぱあれ嘘だな。 うんうん、と一人納得しつつオムライスを平らげると、シャワーを浴びた。
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