5.①

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シャワーを終え、タオルを首に掛けたまま階段を登って行く。 今日は絶対盗み聞きなんかしない! 部屋に直行! 自分に言い聞かせるように何度も心の中で繰り返す。 階段を登り終えて、自分の部屋のドアノブに手を掛けた時、いつものくせでふと父さん達の寝室に目を向けた。 いや、ダメだダメ! 今日こそは盗み聞きなんかしないって決めてたし! それにもうドアノブ掴んでんじゃん。 あとはそれを回してドア開けて、ベッドにダイブして寝るだけだろ? バイトでクタクタなんだから、早く寝るのが一番…。 「…ぁん」 !! 父さんの声! 微かに聴こえてきたその声に吸い寄せられるかのように、俺の足は父さん達の寝室に向かって歩き出していた。 またかよ、俺! 今日はしないって誓ったはずだろ!? それでも足を止めることが出来ない。 知ってしまったあの興奮を味わいたくて、俺は今日も父さん達の寝室のドアに 耳を当てると下着の中に手を入れた。
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