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「声出さないで下さい。バレます」
でも、なんでおまえが!
予想もしていなかった突然の碧の登場に心臓がバクバクいってる。
「とりあえずは俺の部屋に…」
そう言って、碧は俺の口を塞いだまま引き摺るようにすぐ隣の自分の部屋へと連れてった。
「ここならまぁ、あんまり大きな声出さなければ大丈夫かな」
部屋の中央まで来て、碧は呟くと俺の口から手を離した。
「ところで兄さん?あんな所で何してたんですか?」
電気もつけてない真っ暗な部屋の中、それでも碧がどんな表情して俺を見ているのかは容易に想像出来た。
何してたかなんて、そんなの分かった上で訊いてる。
俺の口からしていた行為を言わせようと、ニヤニヤしているに違いない。
「べ、別に何もしてねぇ…よ」
「ふぅん。じゃ、その右手が持ってるモノは何か教えて下さい」
背後から覆い被さってきた碧が、まだ下着の中に入れていたままの右腕を掴んだ。
「あっ!バカ!やめろ!」
力づくで俺の右手を下着の中から引き抜くと、碧はその指先で俺の掌をスーッとなぞった。
「こんなに濡らして…。これじゃ出したくても出せないはずだ」
「いや、これはそんなんじゃなくて…」
言い訳なんか思い付かなくて口どもる。
そんな俺の右手を自分の口許へと持っていった碧は、その指を口内に含んだ。
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