5.①

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「俺の前で、さっきの続きして下さい」 「は?そんなこと出来るわけ…」 「…コレを見たら出来ますよ」 そう言いながら、碧は俺の腕を引くと部屋の壁の前に立たせた。 そして画ビョウで止めていたポストカードをずらすと俺を見た。 「覗いて見て下さい」 は?何があるっていうんだよ? 場所を譲られて一歩前に出る。 すると、そこの壁に小さな穴が開いているのに気付いた。 思わずゴクリと生唾を飲み込む。 碧の隣の部屋は父さん達の寝室だ。 否応がなしにも期待に胸が高鳴る。 いい…のか? 見てしまってもいいのか? そんな疑問を抱えながらも、俺は見開いた瞳でその穴を覗き込んだ。 「あ…父さん…」 その穴からは、ベッドの上で絡む父さんと高臣さんの姿がしっかりと見えた。
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