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自分でもビックリするようなすっとんきょうな声に驚いたのは俺だけじゃなく…
「そんな驚くようなことじゃないだろ?」
「ふ ざ け ん な。驚くに決まってんだろーが!第一『した』って何だよ!?フツーは『したい』から始めるレベルの話だろーが!それが『した』っつー事後報告だけってどういうつもりだよっ!」
「えー?だってぇ、葉もいい歳じゃーん。もういいかなー?的な?」
的な?じゃねーよ!
そりゃ、俺もこの春無事大学生にもなったし、小学生のガキみたく、『嫌だー!僕のお母さんは一人だけだー!』なんて言うつもりもないよ?
というか、物心つく前に母親は他の男と逃げたからはっきり言って顔も覚えてないし、愛着もないんだし。
それより男手一つで俺を育ててくれた父さんにはもの凄く感謝をしているわけで、そんな父さんが結婚したいほど誰かを好きになったのならば一緒になって欲しいと願うのは一人息子としては当然のことだと思う。
────そう、普通ならそう思わないといけないと思うんだけど、
俺の本心は違ってて…。
いきなりぽっと出の女なんかに父さんを渡したくないのが本音なわけで…。
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