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ピンポーン
その時、タイミングを見計らったようにインターホンが鳴った。
ちょっ、誰だよ?こんな時に。
今大事な話をして…
「あー、来たみたいだ。葉はちょっとそこにいて」
訪問者など無視しようとした俺を差し置いて、父さんはいそいそと席を立つと玄関へと小走りで行ってしまった。
あーもう!何なんだよ!いきなり!
結婚したとか、したとか、したとか!
一人息子の俺に黙って何勝手なことしてくれんだよ!
第一父さんに付き合ってる人がいるなんてこと、聞いたことねーし!
母親とか、そんなん今更いらねーし!
もう、マジで意味わかんねー!!
「…ょうど今きみの話をしてたとこなんだ」
残されたダイニングテーブルで一人頭を掻きむしってる俺の耳に、パタパタと歩くスリッパの足音が二人分聴こえてきた。
え?いやいやいや、まさかね。
今聞いたばっかだし、心の準備なんか出来てねーよ?
それにどんな顔して会えばいいのかさっぱりわかんねーよぉ。
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