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「やったー!やったー!やったー!」
へ?
この声は父さん!?
部屋の外ではしゃぐように飛び回ってる音がする。
「葉!やっと父さん達の結婚を認めてくれたんだね?しかもずっと弟が欲しかっただなんて、父さん感激だ!」
え?
あ、はい?
なんで、そうなるの?
つーか、外で父さんが熱弁してたのすっかり忘れてた。
「高臣くーん!僕の熱意がやっと葉に届いたよー!」
いや!届いてないし!
「ちょっ、ちょっと待って、父さん!」
そんな俺が呼び止める声なんか聞こえるはずもなく、父さんの足音は階下へと消えて行った。
マジか…。
何がどうしてこうなった…。
父さんの結婚を認めるだなんて、
そんなの、
そんなの、
高臣さんとのイチャラブを許したということになってしまうじゃないかー!
そんなの許せるかー!
「ぷっ、ククッ。悟さん、今頃俺の父さんに抱きついてますよ」
そんな俺を嘲笑うかのような碧をキッと睨み付ける。
誰のせいでこうなったと!
「どうせ俺のせいだと思ってますね?」
「あったりめーだ!俺は結婚なんて断固反対なんだからな!」
父さんは俺だけのもんだ!
これからも二人仲良く手に手を取り合って………、まぁ、希望としては手だけじゃなくお互いの如意棒を取り合いたいな。とか思っちゃったりしてるけど…。
………
とにかく!
二人で生きていくつもりだったのに!
「兄さんが悪いんですよ?」
「はあぁん?」
「適当なこと言ってこの場を凌ごうとするから」
「うっ…」
バレてた。
「でもこれで俺の兄さんにならざるを得なくなりましたね。嘘だったなんて知ったら悟さん悲しみますもんね?」
「あー!もういいよ!好きにしろ!」
こうして俺に
くそ生意気で
可愛げなんかない
厄介な弟が
出来ました───。
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