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「別に俺は結婚で笑ってるわけじゃなくて、葉が必死に隠そうとしてたのが笑えたんだけど」
「だって!恥ずかしいだろ、再婚相手が同性だなんて」
「そうか?俺は全然アリだと思うぜ?同性だからって結婚出来ないなんておかしいだろ?」
「そうですよ。父さん達の方が正しいんです」
つーか、何で息ピッタリなの、この二人?
あー、やだやだ。
これじゃ俺が悪者みたいじゃん。
フンと拗ねたところで、電車が揺れる。
「うわっ」
「バカ。こっち来いって」
よろめいた俺を見て、亮はそう言うとグイッと俺の肩を引き寄せて、出入口の角を利用して俺を守るように壁を作ってくれた。
「大丈夫か?混んで来たから気をつけろよ」
「うん。ありがと」
俺たちが乗る時はそうでもなかった車両内は、今や通勤ラッシュのせいもあってかなり混み始めていた。
そして亮は、朝が一緒になると、いつもこうやって自分の体を盾にして俺を守ってくれていた。
『葉はチビだから、押し潰されるかもしれないだろ』
って、余計なこと言われたけど、事実だからどうしようもない。
ついでに痴漢に遭うことも度々あったし、正直亮には感謝していた。
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