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「ちょっと、俺の兄さんに触らないで下さい」
今度は碧に腕を引っ張られその胸に抱き寄せられる。
「離せって」
片腕でしっかりと抱きしめられたまま、俺は碧を見上げた。
流石に近すぎだろ、コレ。
んーっと、腕を突っぱねてはねのけようとしても無理っぽい。
そんな俺の様子を見かねたように、亮が俺を抱き締める碧の腕をどかせ、ついでに俺の腕を引っ張った。
「うわっ、とと」
不意の事で転びそうになりながらも、今度は亮の胸の中に収まる。
「で、誰のものだって?」
勝ち誇ったように不適な笑みを見せた亮に、碧はイラつきを隠せないように舌打ちをした。
「だから、俺のもんだって。兄さんは弟の俺が守るから手離せよ」
「は?何で弟が兄を守るんだよ?葉は俺が守るから、弟は弟らしく大人しくしとけ」
「弟が兄を守るのは当然のことでしょーが。あんたの方こそ、ただの幼なじみのくせにでかい顔すんなよ」
「昨日やそこら弟になったヤツくせに生意気だな。いいか?幼なじみっつーのは最強属性だかんな?」
「それを言うなら義兄弟の方が最強だ」
うーん、さっきまで意気投合してたよね、この二人。
なのに、何でこんな揉めてんの?
最強属性とか意味不明なことまで言い出すし。
何が原因?
「「幼なじみと義兄弟、どっちがいい!?」」
埒があかなくなった二人が俺に問い詰めた。
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