3.りょーちんは出来る男だし!

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「よ~うく~ん」 「うわっ!りょーちん。どしたの?」 バイト先のロッカールームで着替えていると、不意に後ろから恨めしそうな声で呼ばれた。 「あの弟なんだよ?」 明らかにムカついてますって顔されちゃったら、俺も苦笑いするしかない。 というか、今朝は半ばりょーちんに押し付けちゃったし。 だって、碧とりょーちんの降りる駅が同じだったから俺としてはラッキーと思って、快く送り出してあげた。 二人してブーブー言ってたけど、関係ないし。 「すげ生意気。あと一つ学年が上ならいじめてやったのに」 口惜しそうに唇を噛み締めるりょーちん。 ていうのも、碧ってば、りょーちんと同じ高校だったんだよね。 なんか見たことある制服だとは思ったんだ。 でも、まさか碧がりょーちんと同じ高校だとは…。 あそこってここら辺じゃ偏差値トップクラスなのに、あんな変態が通ってるなんて世の中間違ってる。 「もしかしてりょーちんもされたの?」 怒りが治まりそうもないりょーちんに、俺はもしやと思って尋ねた。 だって初対面の俺にあんなことするような碧だ。 りょーちんにもチューぐらいしてる可能性が大いにある。 「されたって何を?」 「いや、だからチュー」 「はあ?チュー?チューってキスのことか!?」 「そう…だけど?」 あれ? 何この反応。 なんでこんなに食いついてくんの?
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