3.りょーちんは出来る男だし!

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「俺もってことは…。葉はされたってことか?」 「え?あ…うん」 俺、余計なこと言っちゃったのかなー? なんか、りょーちんの剣幕が凄すぎて怖い。 「キスって、どんなキスだよ!?」 あまりの迫力に気圧されるように後ずさった俺の肩を亮が揺さぶった。 「もしかして舌とか入れられてないだろうな!?」 「したぁ?」 「そうだよ!舌!ベロ!恋人同士がよくすんだろ?舌と舌が絡み付いて唾液ビヨーンて」 舌と舌が絡み付いて唾液ビヨーン…。 舌と舌が… 『葉…。くる…しい。そんな舌押し込まないで…』 『父さん…』 苦しがる父さんを見かねて仕方なく唇を離す。 すると、そこには銀色の糸が…。 うおぉおぉ! 父さんとそんなことしてぇぇ! 「おい!どうなんだよ、葉!あいつとそんなことしたのか!?」 さっきよりも激しく揺さぶられて現実に引き戻される。 「ちょっとりょーちん、激しい」 「激しい…?はっ!もしかしてあいつとしたのか!?」 「したって何を?」 「そんなの一つしかないだろ!セッ クスに決まってんじゃねーか!」 「セッ クスだなんて、そんなのするわけないじゃん!」 確かに狙われはしたけど、ちゃんと守りましたし。 これからもする気もおきませんし。 って、なんでこんなこと大声で否定しないといけないわけ? なんか、りょーちんおかしくない? こんなのいつものりょーちんと違う。 あの爽やかりょーちんは、どこいっちゃったの? まだ肩を離さないでいる亮を、俺は下から見上げた。
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