3.りょーちんは出来る男だし!

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「ほんとーにしてないんだな?」 「当たり前でしょ!あんまりしつこいと怒るよ!」 「…わかった。信じる」 分かればよろしい。 やっと亮が手を離してくれたから、床に脱ぎ捨てたままだった服を拾ってハンガーに通す。 それをロッカーに掛けてバタンと扉を閉めた。 「さぁーて、今日も頑張りますかぁ。りょーちんは今日はどこ?本館?別館?」 んー、と大きく伸びをして振り返る。 俺たちの働くバイト先は本館にカラオケがあって、同じ敷地内にある別館にボーリング場やらゲーセン等があるここら辺じゃ一番大きなアミューズメントパークだった。 俺は基本的にカラオケ部門で働いてるけど、りょーちんは本館別館構わずに、人手が足りない所へ派遣されていた。 やっぱりょーちんって、デキル人間なわけなんだよ。 なんせ中高と生徒会長を勤めあげた人だからね、こんな俺とは大違い。 「今日は別館」 「そっかぁ。残念。一緒だと良かったのに」 りょーちんがいると色々こなしてくれて楽なのに。 「…なぁ、葉?」 「なーに?」 「さっきの続きってわけじゃないんだけど、キスはしたんだよな?」 「またその話?しつこいってさっきも言ったじゃん…か」 一歩近づいた亮に、不意に顎をつかまれて上を向けさせられる。 「俺にもさせて」 そう言った亮は目を閉じると、フッと唇を重ねた。
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