3.りょーちんは出来る男だし!

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「おおーっ、さすが三上くん」 感心しながら隙間に入っていく野々宮くん。 なんとか体が収まって、ビタッとロッカーの側面に背中をくっつけた。 ま、近くまで来ない限り出入り口の方からじゃバレないとは思う。 でも、やっぱあの店長相手にこんなのリスクが大きすぎる。 ここは一つ素直に野々宮くんを差し出す方向で…。 チラリと野々宮くんを見ると、手を合わせて「お願いっ」なんてポーズされるし…。 くそっ! 可愛いじゃねーか。 そんな時、バターン!と蹴破ったかのように勢いよくドアが開いた。 「野々宮ぁ!ここに居ることは分かってんだからな!大人しく出て来やがれ!」 うわぉ! きたー! 「いっつもポッキーばっか食いやがって。何回言っても分かんねーなら、そろそろ痛い目にあわせるしかねーよな?」 嫌だー、そんなの。 痛い目って何なの? 一発殴られるくらいじゃ済まないよねっ? だんだん近づいてくる声に、まるで自分に言われてるみたいに怯えて、俺は亮の服の裾を摘まんだ。 ゴクンと唾を飲み込む。 その時、フッと立ち並ぶロッカーの影から店長が姿を現した。 「お?…三上と立花か」 「おはようございます」 俺の前に立った亮が会釈をしながら挨拶をする。 それに釣られるように、俺も軽く会釈をした。
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