3.りょーちんは出来る男だし!

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「今からか?」 「はい」 「そうか。今日も宜しく頼むな」 「もちろんです」 店長相手に淡々と会話を進めてく亮は尊敬に値する。 俺は亮の背中をそんな気持ちで見ていた。 「所で、野々宮が来たろ?」 ギクッ! やっぱその話になりますよね…。 「野々宮くんですか?今日はまだ見てませんけど、また何かしたんですか?」 「まぁ、いつものことだ。で、どこにいる?」 「だから、今日はまだ見てませんって…」 グイッと、亮の後ろに隠れる俺の方を覗き込む店長の視界を遮るように、亮が体をずらしてくれる。 おかげで、隠れることは出来たけど、こんなんじゃバレるの時間の問題だって。 あー、匿うなんてバカげたことしなけりゃ良かった。 「それに、悲鳴あげながら前の廊下を走り抜けてくのは聞こえましたよ?」 そう付け加えた亮を、店長は明らかに疑いの目で見ていた。 それでも臆することもなく目を逸らさずにいる亮に、店長はフと視線を落とした。 そして「そういうことにしといてやるよ」とそれだけ言うと、踵を翻し更衣室を出て行った。 そんな店長の後ろ姿を見送って、ドアが閉まるのを確認した俺たちが、ハァーと胸を撫で下ろしたことは言うまでもない。
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