4.

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「何ですか?ジッと見て。そんなにキスして欲しいんですか?」 「はあ?なんでそーなる…ッ!」 横からチュッと口づけをされる。 「やっぱり兄さんは可愛いですね」 なっ! 「いいから、早く拭けよ!」 年上相手に可愛いとか、バッカじゃねーの! でも、なんでだろ? なんかすげー恥ずかしい…。 頬が赤く染まっていくのを感じて、洗剤で洗ったばかりのグラスの泡をすすぐと、碧を見ることなく無造作に渡した。 「ちょっ!兄さん、待って下さい」 へ? 慌てたような声に碧の方を向いた時には遅かった。 手渡したとばかりに思っていたグラスは、碧の手に受け取られることなく、そのまま床へと落ちていった。 ガッシャーン 受け取ろうにも俺の運動神経じゃ間に合うはずもなく、グラスは見事に割れてしまっていた。 「あ、わりぃ。怪我ねーか?」 「俺は大丈夫ですけど、兄さんは?」 「俺も平気だ」 「良かった。取り敢えず掃除しないと危ないですね」 「だな。掃除機取ってくるから触んなよ?」 濡れた手をタオルで拭いて、掃除機を取りに行く。 「痛っ」 でも後ろからそんな小さな声が聞こえて振り返ると、しゃがみ込んだ碧が顔をしかめていた。
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