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「あっ、バカ!触んなって言ったじゃねーか」
「でも大きな破片だけでも取って置いたほうがいいと思いまして」
同じように碧の前にしゃがみ込む。
碧が見つめるその指先からはプクッと血が丸く溢れていて、俺はそれを見つけると碧の手を取り、その指先を自分の口に含んだ。
口の中で指に吸い付きながら、舌で何度も傷口を舐める。
その度に独特の血の鉄分の味が口の中に広がった。
なかなか血止まんねーな。
チューチュー吸う度にまだ血の味がする。
「…あの、兄さん?」
珍しく控え目な碧の声がして、視線を咥えてる指から上げると、戸惑ったような表情をした碧と目があった。
「ん?」
「指…」
!!!
や、やべぇ!
傷なんて舐めときゃ治る精神のせいで、思わず舐めちまった。
しかも自分の指ならまだしも碧の指を。
「舌遣い、エロいですね」
うっぎゃー!
自分のにするように思いっきり吸っちゃったし!
「ば、ば、ば、絆創膏取って来る!」
投げ捨てるように握ってた碧の手首を離して、俺は急いで立ち上がると猛ダッシュでリビングへと向かった。
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