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た、確か救急箱の中に絆創膏があったはずだ。
で、その救急箱は廊下の収納室の棚の上!
テンパってる頭をフル回転させて、救急箱の在りかを思い出す。
つーか、何しちゃったんだよ、俺!
よりによって碧の指舐めるとか…。
ありえねー!!!
しかも、救急箱、届かーん!
廊下にある2畳ほどの収納室。
綺麗に整頓された棚の一番上に救急箱は置いてあった。
くそっくそっ、届け!
早く碧に絆創膏貼って、この件に関しては一切触れずに忘れてしまおう。
背伸びしてなんとか救急箱に触れることが出来る。
「兄さん…」
でも、そんな必死こいてる俺を碧は後ろから抱きしめてきた。
「ぎゃー!な、何しやがる!」
思いっきり両手を上に伸ばしていたせいで、無防備だったスウェット(上)の下から碧の左手が入ってくる。
「兄さんが、誘ったんですよ?」
その手は、胸の飾りを見つけるとそっと撫でた。
「ちがっ…」
誘ってなんかねーし!
「一生懸命吸い付いて先端に舌押し当てて、本当はこの可愛いお口に何を咥えたかったんですか?」
「あれは、ただ、血止めよーと…って、変な言い方すんなっ!」
後ろから回された右手の人差し指が唇をなぞる。
「変な言い方って、俺はこの指のこと言ったんですよ?兄さんこそ、何を想像したんですか?」
こ、こいつ、腹立つ!
指のつもりでなんか絶対なかったくせに!
「クスッ。すみません。今のはイジワルでしたね」
ムッとした俺の表情を見て、碧はクスリと笑った。
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