1.結婚なんてしらねーし!

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「あんたが、立花葉?」 「そうだけど…」 なんだよ、コイツ。 いきなり現れたと思ったら初対面であんた呼ばわりとか。 高校の制服なんか着て、どう見ても年下じゃんか。 のくせに、なんかすげー色々生意気。 口調とか、身長とか身長とか! 何食ったらその歳でそんなでかくなるんだよ! 軽く俺より10センチ以上でかいだろ! 毎日牛乳飲んでる俺の努力を返せよ! 「ふーん」 そんな怒りまくってる俺の周りを、まるで品定めをするように手を顎に添えてグルリと一周する。 「なんだよ」 その様子に不満げに声を出すと、俺の正面に来て俺を見下ろした。 そして、 「仲良くして下さいね。兄さん」 その生意気そうな顔に屈託のない笑顔を浮かべた。 な、なんだよ、コイツ。 可愛いとこあるじゃん。 「お、おう」 って思わず頷いちゃったけど、 に、に、兄さん!? 「僕の息子の碧と兄弟になるってことは、この結婚認めてくれたってことでいいのかな?」 「いや、その」 「葉!本当かい!?父さん、嬉しいよ!」 「え?あの、だからこれは…」 「高臣くん、これで一緒に暮らせるね」 「悟さん、これで毎日愛し合えますね」 って、おい!愛し合うって、そんなの実の息子の前で言うな! 「俺は、俺は…、絶対認めないからなー!」 そんな俺の叫びは、すっかりイチャイチャモードに入った二人に届くはずもなかった。
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