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「ちょっ、んなこと言って気逸らさせようとしても無理だかんな?ちゃんと人の話…」
「愛してます、兄さん」
あ、愛して…って…
「だ、だから、愛してるとか、そんなの気安く言うもんじゃ…」
「だって、オムライスに書いてあった意味が知りたかったんでしょう?LOVEは愛してるって意味ですよ?そんなのも知らなかったんですか?」
え?
はいいい??
何、それ。
そういうことだったわけ?
愛してるって、別に俺をとかじゃなくて、ただ単に意味を述べただけってこと?
つーか、このタイミングで?
バッカじゃねぇ?
一人で動揺しまくった俺って、バカ丸出しじゃん!
「つーか、意味ぐらい知ってるっつーの!バカにすんな!」
いくらバカ高だったとはいえ、それぐらい解るわ!
俺はさ、父さんの口から聞きたかったの!
碧の口から聞きたかったわけじゃないっつーのに。
「愛してますよ、兄さん」
「だから、意味ぐらい解るって…」
どこまでバカにする気だ、こいつは。
「違います。これは俺の本当の気持ちです。兄さんを愛してるんです」
「な、何言って…」
ちょっと待て。
よく意味が解んなくなって…。
愛してるって…
碧が俺を?
「…兄さん」
「な、なんだよ?」
抱きしめられたまま頭ん中こんがらがってる俺は、碧の呼びかけにふと顔をあげた。
「抱きしめてたらまた興奮してしまいました。顔にぶっかけてもいいですか?」
か、顔にぶっかけるって…。
「いいわけあるかー!」
碧の変態発言に、俺は思いっきり足を踏んづけた。
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