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「あれ?そういえば、時間大丈夫なの?」
いつもスーツに着替えてからエプロンを掛けてる父さんが、今日はパジャマのままだ。
「今日はお休みなんだ」
「僕もね」
答えた父さんに付け加えるように、高臣さんも言った。
いや、あんたなんかどうでもいいし。
「そうなんだ。言ってくれれば朝食ぐらい作ったのに」
碧に飯食わすぐらい俺にだって出来るし、ゆっくり寝てれば良かったのに…。
「ありがとう。でもこれぐらいはしなきゃ。父親なんだからね」
「でも疲れてるでしょ?毎日毎日大変そうなのに…」
家事も仕事もなんて、休みの日ぐらい手抜いてよね。
「ま、毎日大変って…、も、もしかして知ってたの?葉?」
ん?どうした、父さん?
そんな慌てふためいて。
「と、父さんはそんな大変じゃないよ?いつも動いてくれるのは高臣くんだし…。た、確かに高臣くんの激しさについて行けなくなるけど、それは父さんの体力の問題で…」
ちょ、ちょっと父さん?
あんた顔真っ赤にして何の話を…
「フフッ。悟さん、葉くんは仕事の話をしてるんですよ?」
二人して顔を赤くさせている俺たちを笑って、高臣さんが言った。
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