28人が本棚に入れています
本棚に追加
憶えていますか。
あの日の事を。
あの日は寒くて寒くて。
空からはちらちら白くて冷たい破片が降っていて。
たまらなく心細かった僕は、必死でお母さんを呼んでいました。
けれどお母さんは、いつまで経っても迎えにきてはくれなくて。
僕の毛皮の先は、降ってきた破片が溶けて凍って、パリパリになってしまいました。
舐めれば今度はベロが冷たくなり。
ちっぽけな僕の体全部が、まるまる凍ってしまいそうでした。
最初のコメントを投稿しよう!