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****************** 翌朝目を開けた智樹が意識したのは、 今までにない感覚だった。 すっきりした、爽やかな目覚め。 それは必ずしも体のことだけでなく、 頭も心もまっさらになった。 そんな錯覚を呼び起こす。 「ふっ」 苦笑が漏れた。 朝から1人で笑うなんて、 俺、どんだけ危ないやつだよ。 けれど、仕方ないんだ。 この晴れやかな心持ちの理由に、 思い至ってしまったから。 「……愛してる、よ……」 それは、確かに発した昨夜の言葉。 ずっと見ないフリをしていた、本音。 背を向けている間に育っていた、 溢れんばかりの気持ちだった。 それを認めて口にしただけで、 これほど朗らかな気分になるなんて。
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