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「――ったく、名門校の制服が台無しだぜ」 にわかに王様の声のトーンが変わった。 「アッ……」 胸のワッペンを弾きながら 征司の指はいやらしく僕の濡れたシャツを伝う。 「お兄様こそ、あの方に薔薇の花まであげて……どういうつもり?」 僕というものがありながら――。 喉元まで出かかった言葉。
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