第1章~まだ、知らない~

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「じゃあ、グループで集まって晩御飯のメニューとか決めてください!」 実行委員の言葉を合図にみんなが席を移動する。 私達3人も男子の方に移動する。 「じゃあ、とりあえず自己紹介でもする?」 「そうだな!んじゃ、男子からでいいかな?」 私達と佐伯君達は机を6つくっつけて向い合わせに座っている。 去年クラスが一緒だった山崎君がリーダーっぽい。 「んじゃ俺から!山崎陸(やまざきりく)です!まあ、仲良くしようぜ!」 パチパチ~とみんなが拍手をする。 山崎君はサッカー部。茶色い髪を後ろでくくっている。 「小石川孝史(こいしかわたかし)です。俺も陸と同意見で。」 小石川君はなんだか物静かそう。 黒髪にメガネをかけてるからっていうのもあるけど、雰囲気が他の2人と違う。 「俺は佐伯亮(さえきりょう)。とりあえず楽しくできればいいかな!」 近くで見るとやっぱり目立つなあ、赤毛・・・ 「あ、この赤毛は地毛です。染めてないから!」 あ、そうなんだ。ちょっと安心。 なんだか話しかけやすそう。 「じゃあ、次は女子ね。私は今井萌絵って言います。晩御飯はカレーで!」 え、もう決まってんの!?とみんなが笑う。 萌絵ちゃんはこういう挨拶とか自己紹介とかがとても上手。 話しやすそうな印象を周りに与える。 「えっと、百瀬千春です。転校してきたので知り合いがいなくて、こうしてグループに入れて貰えて嬉しいです、よろしく。」 そっか!同じ学年なのに見たことないなーって思ってたら、転校生だったのか。 じゃあ、この学校のことまだあまり知らないのかな?今度案内してあげよっと! 「香澄の番だよ?」 萌絵ちゃんが私の肩をつつく。 「へっ!?あ、えっと小森香澄です。テニス部ってことぐらいしか・・・」 「香澄ちゃんってアレだよな!何だっけ・・・えっと、小鳥遊!といつもいるよね?」 何を言うべきかと悩んでいると、佐伯君が唐突にそんなことを言ってきた。 「おい、まだ小森さんが話してるだろ。」 そう言って小石川君が佐伯君の頭にチョップする。 「いってー!何すんだよ!!」 佐伯君が頭を押さえて机に突っ伏す。 えーっと・・・どうすればいいのかな・・・ 私はとりあえず山崎君を見る。自己紹介はもういいので話を進めて下さい・・・ 「じゃあ、自己紹介はこの辺にして色々決めようか。」 私の気持ちを察してくれたのか山崎君は話を進めてくれる。
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