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「じゃあ、作るものはカレーうどんでいい?」
山崎君の言葉にみんなが頷く。
「で、入れるものはネギと油揚げと牛肉、ジャガイモ・・・と。」
山崎君が記入用紙に材料と分量を記入していく。
「じゃあ、誰が用意する?」
「あ、私買いに行こうか?暇だし。」
萌絵ちゃんの言葉に私が返事をする。
みんなたぶん部活とかで忙しいだろうし、私はちょうどオリエンテーションの前の日は部活休みだから買い物に行ける。
「あ、じゃあ俺も一緒に行くよ!女の子1人じゃ重いでしょ?」
佐伯君が手を挙げてくれる。
「そりゃいい。小森さん、コイツに全部持たせればいい。」
すかさず小石川君が言う。
「おうよ!持ってやるよ!」
何故かやる気満々の佐伯君。
「じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
「ダメよ。」
私が頼もうとすると、横から萌絵ちゃんが怒り気味に私の言葉を遮った。
「なんで?」
その言葉に佐伯君が首を傾げる。
確かに・・・なんでだろう?
「香澄には恵人がいるの!男子と2人でどっか行くなんて絶対ダメ!」
必死に萌絵ちゃんが訴える。
なんで男子と2人だとダメなんだろう?
「なるほどねぇ。」
「まあそりゃそうか。」
「香澄ちゃんモテモテね。」
佐伯君以外の3人がほぼ同時に頷く。
どういうこと?
「というわけで佐伯君。気持ちはありがたいけど、香澄は大丈夫よ。」
少し睨みつけるような感じで萌絵ちゃんが佐伯君を見る。
「ん、わかった。じゃあ、香澄ちゃんお願いするね。」
「え?ああ、うん。」
結局私がわからないままみんなは解決してしまったらしい。
見えていたら私の頭の上には?マークがいっぱい出てると思う。
「まあ、とりあえず・・・連絡先だけ交換しとこうか?」
「そうだね!」
そう言ってみんなケータイを取り出す。
グループを作って、そして1人ずつ友達追加をしておく。
「佐伯君の画像、可愛いね。」
佐伯君のプロフィール画像は子猫の写真。
白の子と茶色の子、2匹の子猫が丸まっている。
「あ、それウチの猫。可愛いっしょ?」
佐伯君がニコーッと笑う。
「香澄ちゃん猫好きなの?」
「うん、ウチにも猫いるよ!もう大きいけど。」
「マジ!?後で写真送ってよ~俺も送るからさ!」
「いいよ~」
猫好きという意外な共通点を見つけた佐伯君と私。
見た目はチャラそうだけど話すと全然普通。
なんだか、苦手かもって思ってたのがとても申し訳ない。
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