第1章~まだ、知らない~

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1.知りたい~香澄Side~ 私は小森香澄(こもりかすみ)。高校2年生。 どこにでもいそうな、ごく普通の高校生。 人と少し違う所があるとすれば・・・ まだ恋を知らない、ということ。 お姉ちゃんも、友達も恋を知ってる。 聞いてみても、いつか分かるよ。って言われるだけ。 分からないから聞いてるんだけどなぁ・・・ クラスの男の子ともよく話すし、同い年の幼馴染みもいるし、男の子は周りにたくさんいるのにっていつも思う。 「ねぇ、お姉ちゃん。」 「ん?なぁに?」 私の髪をアレンジしてくれているお姉ちゃん、愛美(まなみ)に声をかけてみる。 「恋って、いつか分かるんだよね?」 鏡にうつるお姉ちゃんが目をぱちくりさせる。 「どうすれば恋って分かるの?」 またいつものように“いつか分かるよ”ってはぐらかされるのかな・・・ 私、恋がどんなのなのか知りたい。 恋がしてみたい。 「教えてほしいの・・・」 「そうね・・・」 お姉ちゃんが考えるような仕草をする。 「あのね、香澄。恋ってのはね・・・」
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