第1章~まだ、知らない~

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「で、何から買う?」 「あ、服を先に見ていい?」 ショッピングセンターに着いた私達は、とりあえずウロウロしている。 「服は・・・3階だな。」 店内案内を見ていた恵ちゃんが歩き出す。 それに私もついて行く。 「服ってわざわざ新しいの買わなくてもいいんじゃないか?」 「私だって女の子だもん!それに萌絵ちゃんも千春ちゃんもオシャレだし。」 まあ、千春ちゃんの私服はまだ見たことないけど、たぶんオシャレだと思う。 だってさ、周りの子はオシャレなのに私だけいつも通りっていうのも・・・ やっぱり、一応女子高生なんだし・・・ 「そういうもんか・・・あれ、でも可愛い服なら愛美がいっぱい持ってるじゃん?」 う・・・確かにそうだけど・・・ 「お、お姉ちゃんのは・・・その・・・」 「ん?」 これって言うべきかなあ・・・ できれば言いたくない。でも、言わないと恵ちゃん絶対怪しむからなあ・・・ 「む・・・胸が、その・・・余っちゃって・・・」 「・・・・・・」 うぅ・・・無言が辛いよ・・・ やっぱり言うべきじゃなかったかな・・・ だって、お姉ちゃん大きいしそれに比べるとやっぱり私は小さいし・・・ 恵ちゃんも・・・やっぱり大きい方が好きなのかな・・・ あぁ、自分で言ってへこんできた・・・ 「あ、えっと・・・その・・・ごめん・・・」 ちょっと落ち込んでいると恵ちゃんが口を開いた。 「え?」 恵ちゃんの方を見ると、口元を手で隠している。 その顔はとても赤く染まっていて・・・ 「いや、えっと・・・そんなこと言わせてごめん・・・」 そう言ってプイッと私とは逆の方を向いてしまう。 照れ屋なのは知っていたけど、なんでこんなに赤くなってるんだろう・・・ 恥ずかしくて赤くなりそうなのは私なんですけど!? 「う、ううん。」 何となく気まずくってそれ以上は何も言えない。 しばらく沈黙が続く。 先に口を声を出したのは恵ちゃん。 「あ、あれだぞ・・・その、別に大きければいいってもんでもないし!」 さっきよりはマシになったけど、まだ赤い顔のままこっちを向く。 「あ!別に愛美のことをどうこう言うわけじゃなくて!で、でも胸が大きいからとか関係ないと思うんだよ!俺は!って何言ってんだ俺」 なんでもないからな!って恵ちゃんがオロオロしている。 「ぷっ・・・」 「な!笑うなよ・・・」 「ごめんごめん」 なんだか恵ちゃんが可愛くて。
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