第1章~まだ、知らない~

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「ふふふ・・・」 「なんだよ。」 「なんでもなーい!」 恵ちゃんが本当に可愛いと思ってただけだよ。 大人びているのに時々見せるこういうところが本当に可愛いと思う。 馬鹿にしてるとかじゃなくて・・・なんというか、愛しい? っていうのはおかしな気もするんだけど、他にどう例えればいいか分からない。 「嘘つけ・・・」 そう言ってまたプイッとしてしまう。 怒ってるように見えるけど、実際は照れているだけって分かっているからさらに可愛く見えてしまう。 でも、あんまりからかうと拗ねちゃうからこれぐらいにしておかなきゃ。 「ねぇねぇ」 「ん?」 少し落ち着いた恵ちゃんはいつも通りの声で聞き返す。 「服、恵ちゃんに選んでほしいな。」 私はにっこりと笑う。 恵ちゃんセンスいいから絶対私に似合うのを選んでくれると思うんだよね! 「お前・・・いや、なんでもない。分かった選んでやるよ。」 「何?」 「なんでもねぇよ。」 何を言いかけたのかな・・・ それに、また顔が少し赤くなっている。 最近恵ちゃん赤くなること多いな。 まさか、風邪気味とかじゃないよね?照れてるだけだよね。 あれ、でも・・・何でそんなに照れてるんだろう? 「行くぞ。」 スタスタとちょっと早足で恵ちゃんが歩き出す。 「あ、待ってよ。」 それをまた急いで追いかける。
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