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「ねぇねぇ恵ちゃん!これどうかな?」
「うーん・・・」
かれこれ30分、ショップのいたるところから色々な服をとってくるけど、恵ちゃんはどれも納得いかないみたい。
「香澄はスカートの方が似合うからな・・・」
た、確かにスカートとかワンピースをよく着るけど!!
むしろスカートとかばっかりだけど!
「そんなこと言っても・・・森にスカートで行ったら活動しにくいし!」
「んー・・・」
恵ちゃんはキョロキョロと店内を見て、私を置いてウロウロし始める。
それに私も着いて行く。
チャチャッと服を手にする恵ちゃん。
「これとこれ、着てみて。」
「え?う、うん。」
恵ちゃんに服を渡されて、私は試着室に入る。
選んでくれたのはショートパンツとパーカー。
パンツは紺色で、パーカーは薄いピンクとそこまで派手な服じゃない。
パーカーの下にはTシャツを着ればいいかなって思う。
「うーん・・・ショートパンツって思っているより恥ずかしいかも・・・」
足が出るのはスカートも同じなんだけど・・・
スカートに慣れきってるから違和感が。
「でも、可愛いなぁ・・・さすが恵ちゃん。センスいいや。」
シンプルなんだけど、森に行くならこういう格好の方がいいもんね!
うん、これにしよう!
「香澄、着れた?」
「あ、うん!」
外から遠慮気味な恵ちゃんの声が聞こえる。
私は試着室から出てみる。
やっぱり一応見てもらった方がいいよね!
「・・・・・・」
「恵ちゃん?」
試着室から出てみると恵ちゃんが固まってしまった。
そんなに似合ってないのかな・・・?
「あの、やっぱり似合ってない?」
「い、いや!似合ってる・・・んだけど・・・」
「だけど?」
「とても似合ってるんだけど・・・」
似合ってるなら、いいよね?
「じゃあ、これにするね?」
「だ、ダメだ!!」
恵ちゃんが何故か顔を赤くしながら言う。
なんでこんなに必死なんだろう・・・
「なんで?このパーカー可愛いじゃん?」
「ダメだ・・・」
「なんで?」
「・・・か、可愛いから・・・ダメだ・・・」
さらに顔を赤くする恵ちゃん。
よく分からない。
「可愛いから欲しいんだけど?」
「パーカーじゃなくて!とりあえずもう1回選び直すぞ!」
フイッとまた店内を回る恵ちゃん。
私はまた試着室に押し込められ、しぶしぶ服を着替えた。
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