第1章~まだ、知らない~

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「おはよ!香澄。」 「おはよう、恵ちゃん。」 うちの前で待っていた男の子。 幼馴染みの小鳥遊恵人(たかなしけいと)。 生まれたときから一緒で、同い年。 小さいころから一緒だから恵ちゃんって呼んでる。 身長は私より10㎝ぐらい高くて、少し明るめの茶髪な猫っ毛が特徴的。 染めてるってよく言われるけど地毛なんだ。 まぁ、最初は髪色からチャラいって思われてるんだろうけど・・・ 実際は全然チャラくないし、むしろ真面目というべきかな? よく私を助けてくれたりするし、とても大切で頼りになる存在。 「行こーぜ」 そう言って歩き出す恵ちゃん。 「あ、待ってよ!」 私は恵ちゃんの後を追う。 そして追い着いたら恵ちゃんの横に並ぶ。 「お前はこっち。」 そう言って恵ちゃんが車道と反対側を指す。 優しいなぁといつも思うけど・・・ 男の子ってみんなこうして普通なのかな? 「そういえば香澄。」 「ん?」 私は恵ちゃんを見上げる。 「英語やった?」 「やってなぁい~」 すぐに反応した私に、だよなぁ~と笑う。 「恵ちゃんもやってないんでしょ?」 「当たり前だろ。」 当たり前ってのはどうかと思う。やってない私が言うのもアレだけどさ。 「まぁ、どうにかなるだろ。あの先生は最終カンニングできるし。」 「それは、駄目だと思うよ・・・」 いいのいいの。という恵ちゃんに苦笑いを浮かべる。 適当なことを言ってるけど、頭がいい恵ちゃんは勉強してなくてもカンニングなんてしなくても満点なんだろうなぁ。 そんな冗談を言いながら2人で学校へと向かう。
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