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「じゃあな、香澄。」
「うん、またあとでね!」
恵ちゃんは2組、私は1組。
初めてクラスが離れちゃって少し寂しい気もする。
まあ、いつまでも一緒にいられるわけじゃないし、今から慣れておかないとね!
「・・・・・・」
なんだろう・・・モヤモヤする。
別に、関係が切れるってわけじゃないし話そうと思えば話せるはずなのに。
よくわからない気持ちで押しつぶされそう。
「かーすみっ!」
ドアの前で立ち尽くしていると、ポンッと肩を叩かれる。
「萌絵ちゃん!おはよ~」
「おはよ~」
彼女は今井萌絵(いまいもえ)ちゃん。
私の小学校のころからの友達。明るい茶髪のポニーテールが特徴的。
恵ちゃんの地毛とは違って萌絵ちゃんは定期的に染めている。
毎日自分でメイクして、髪もコテで巻いているらしい。
見た目とは異なって、大人っぽくてお姉ちゃんみたいな存在。
恵ちゃんとも仲が良くて、よく3人で遊んだりもする。
「どうしたの?そんなとこで。」
「ううん、何でもないよ。」
本当に~?と言う萌絵ちゃんに、大丈夫大丈夫!と笑顔を向ける。
それより早く入ろう!と萌絵ちゃんを急かして教室に入る。
自分でもよくわからない気持ちをどう説明していいかわからない。
「・・・・・・」
試しに萌絵ちゃんが結婚したりして、引っ越しちゃったら・・・と考えてみる。
「・・・?」
さっきみたいにモヤモヤしない・・・
なんでだろう?
「香澄~?」
「あ!今行く!」
入り口で止まっていた私を萌絵ちゃんが呼ぶ。
私は急いで自分の席へと向かい、鞄を下ろす。
萌絵ちゃんだと、モヤモヤしない。
恵ちゃんだと・・・モヤモヤする。
なんなんだろう?この気持ち・・・
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