第1章~まだ、知らない~

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4.オリエンテーション~香澄Side~ 「じゃあ、くじ引いてね~」 もうすぐクラスでオリエンテーションがある。 まあ、簡単に言うと“クラスの親睦を深めよう!”って行事。 1年は山登りなんだけど、2年は森でスタンプラリーして晩御飯を作って旅館に泊まるらしい。 そのために女子と男子3人ずつ、計6人のグループを作る。 だいたい女子も男子もグループができてるから、それをくっつけるために代表がくじを引きに行く。 私のグループは萌絵ちゃんと、隣の席の女の子の3人。 「入れてくれてありがとう。」 名前は百瀬千春(ももせちはる)さん。 「全然いいよ!むしろ2人で困ってたから入ってくれてありがとう!!」 百瀬さんはモデルさんみたいでとても大人っぽい。 特に髪が綺麗な黒髪で、ストレートなのが私と正反対で羨ましく思う。 実は仲良くなりたいなって思ってた。 でもきっかけが見つからなくて、やっとその機会が来たって話。 「百瀬さんって何が好きなの?」 「あ、千春でいいよ。うーん・・・ネットでゲームとかよくするよ。」 へぇ、結構以外かも。 私もゲームはよくやるけど、ネットのはやったことないなぁ。 「私もゲームはよくするけど、ネットのはまだしたことないや。やってみたいんだけどね。」 勇気が出なくて。と私は笑う。 そんな私を見て千春ちゃんがちょっとこっちに身を乗り出しながら目を輝かせる。 「香澄ちゃんもしようよ!あ、でも無双ゲームだけども・・・」 「無双系かぁ・・・私下手なんだよねぇ~」 あはは~と笑う私。 私のやるゲームってRPGとかだからなぁ・・・ 無双って言えば恵ちゃんがよくやってて、貸してもらったり対戦するけど勝ったことはない。 「無双って言ってもね、みんなが助けてくれるんだよ!楽しいよ!」 でも、無理強いはできないかぁ・・・と千春ちゃんがニコッとする。 「私のいない間に盛り上がってるとか、ズルいなぁ~」 横を見ると萌絵ちゃんが立っていた。 つい盛り上がりすぎて気付かなかった。 「ごめんねぇ!えっと・・・誰のグループと一緒?」 「えっとね、佐伯君のグループ。」 佐伯君・・・目立っているグループだなぁ。 佐伯君は金髪までとはいかないけれど、かなり明るい茶髪でいつもネックレスをしている。 正直私の苦手なタイプな気がする。 でも、話したことはないから見た目だけで決めつけるのはよくないよね!
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