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「おおー……」
と、そう感嘆の声を漏らしたのは、ぼくだけではなく、おっさんもだった……自身が行ったことの、結果をみて、やはり何か思うところがあるのだろう。各言うぼくも、少しだけ浮かれたような気持ちになった。
珍しい。
うむうむ……試せたし、確かめられたので、ぼくは火の玉を消す。
おっさんは言う。
「いいね、悪くない。実にいい気分だ、人の願いをかなえると言うのは、すがすがしいものだね……ふふん、ふふふふ、あはあはあはあはあは……どうだい、少年? 魔法は、あっただろう?」
「そうですね、ありがとうございます」
「淡泊だね、ともすればクール……あはあは、なんだい、もっと浮かれてもいいんじゃないかい? こんな時くらいさぁ。あはあはあはあはあは、あはあはあはあは……これはいい、実にいい……魔法と言うのは誠に素晴らしき産物だなぁ……あはあは……君も、そう思わないかい?」
ぼくは頷いた。
「うん、ぼくも思うよ、おじさん」
「そうだろう、そうだろう……あはあはあはあは……よし、うんうん、実にいい……よろしい……痛快な気分だ……今こそは明朗快活なる私と言ってもいい……人に幸せを分け与えると言うのは、これほどまでに素晴らしき事柄だったのか……あはあはあは……さて」
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