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お月様に悪戯されたあの子はlunaticなfanaticになって、意中のお月様と心中を試みた。月蝕の夜に取り出すおはじきは内緒のとっておき。ばきうん!とheartbreakした月はバリンと割れて砕け落ちた。
月の欠片を拾って見れば、メッケルニッキの硝子製。
見つけた僕は欠食の夜のおやつに月を食む。バリバリと頬張るも、月蝕は幾らか進んでいたようで、月は錆びた味がする。
夜の緞帳がすっかり下りて、月のない惣闇はundergroundのよう。曇天の夜よりどんみりとした、暗暗のどん底にぽつねんと。
しばらくして、悪食が祟ったのか、腹に違和感を覚える。呑食した月が体内で発光し、腹はきやきやと痛む。曇った光はだんだん強くなり、ついには鈍色の光が僕を呑み込む。感覚が鈍くなり意識が遠のく中で、誰かの声を聞く。
「貪食は罪」
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