門を潜ったのは10時過ぎ

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門を潜ったのは10時過ぎ

ーーー応接室にてーーー 壮年の男性教師 「朝野月徒(あさの・つきと)…………またか?」 朝野 「何が?」 壮年の男性教師 「ち・こ・く・だ!!何回目だと思っとるんだ貴様は」 朝野 「…………五回目?」 壮年の男性教師 「一応聞いとくがそれは今週の記録だろうな?間違っても今日までの通算じゃないだろうなぁ?」 朝野 「HAHAHA!」 壮年の男性教師 「笑ってんじゃねーぞ糞ガキぃ!?」 朝野 「おいおい神保(じんぼ)さん、あンまり怒ると血圧が上がるぜ?」 神保 「なら怒らせるんじゃねーよ!誰のせいで最近…………あぁ、もういい」ハァ 朝野 「お、じゃぁ、おれ授業出るわ」 神保 「待てコラ」ガシィッ 朝野 「何だよ。まだ用あるのか?」 神保 「誰もテメーの遅刻を無罪放免にするなんて言ってねーよ」 朝野 「スンマセン、おれ授業でなきゃいけないンでー、行って良いっすか?」 神保 「今は放課後だ馬鹿野郎。あと今更気持ちわりぃ話し方すんじゃねーよ」 朝野 「…………ンで?何?」 神保 「英語の赤坂(あかさか)先生に泣きつかれてな。どうやらお前を本格的に更正せにゃならんようだ」 朝野 「赤坂…………あぁ、あのトロそうな?」 神保 「トロくねーよマイペースなんだよ。帰国子女のお前からしたら発音に難があるかもしれんが彼女は一生懸命なんだわかったか?!あぁ!?」 朝野 「別に発音はまともだったぜ?ってか、当てられてフツーに答えただけだっての」 神保 「教師のプライドとか自信とかをへし折るほど完璧になっ!…………席が隣で見ていられねーほど落ち込んでたんだぞ?」 朝野 「知るか。ならおれを当てずに空気扱いすればいい」 神保 「それができない性格なんだよ分かれ」 朝野 「……………………」シラー 神保 「」ブチッ! 朝野 「お、くも膜下出血か?」 神保 「……………………。…………もういい、あれだ。お前の更正はアイツに任せよう。…………俺の健康のために」 朝野 「いや、別に更正とか必要ねぇから」 神保 「ちょっとついて来い。今すぐ駆け足で」 朝野 「おれの方が歩幅広いかr…………」 神保 「いぃぃぃぃから、来いっ!!」 朝野 「…………めんどくせぇ帰りてぇ」
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