クリスマスの夜

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「お母さん 残念ですが 尚哉君は 息を引き取りました。」   「え?」   「最善は尽くしましたが 頭を強く打ち 脳の損傷が酷く 手の施しようが有りませんでした。」   真弓もお母さんも言葉を失い 震えていた。   霊安室に 冷たくなった尚哉が ベットの上に横たわっていた。   母親は 何も言わず 尚哉を見つめ 真弓は 尚哉にすがりつくように 泣いた。   「私 初めて会った時から 好きだったの…でも フられるのが怖くて 言えなかった。いつも あなたを見てたの…今日 想いを伝えるつもりだったのに…」 外は 雪が降り始め 街は ネオンに飾られ クリスマスソングが流れている。   いつの日か 真弓は 尚哉の胸に抱かれ 愛を感じたいと 祈った。 12月24日 12月の祈り…
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