LOVE 1

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はるくんこと岩峰晴希とは、家が隣同士の──いわゆる幼なじみ。 「ほら、早くうしろ乗れよ」 「うん、ありがとっ」 素早くうしろに立って、はるくんの肩に手を置いて。 「よっしゃ、全速力で行くかんな!」 「らじゃー!」 はじめはゆっくり。 だんだんと加速させていく。 気持ちのいい風が吹いて、思わず歌声が漏れた。 「…おまえ、相変わらずテンション上がると歌うたうんだな」 「え、声に出てた!?」 「出てた」 風に揺れる草花。 流れる白い雲。 風を切って進む自転車。 空気に響く私の歌声。 何もかもがひとつになって、心地いい時間をつくりだす。 「今日からもう高校生かあーっ!」 「もう部活とか決めたのか?」 「もっちろん!」 「だよな!」 「「軽音部!」」 私の名前は雪野美緒。 今日から私立瀬戸川高校の1年生になります!
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