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はるくんこと岩峰晴希とは、家が隣同士の──いわゆる幼なじみ。
「ほら、早くうしろ乗れよ」
「うん、ありがとっ」
素早くうしろに立って、はるくんの肩に手を置いて。
「よっしゃ、全速力で行くかんな!」
「らじゃー!」
はじめはゆっくり。
だんだんと加速させていく。
気持ちのいい風が吹いて、思わず歌声が漏れた。
「…おまえ、相変わらずテンション上がると歌うたうんだな」
「え、声に出てた!?」
「出てた」
風に揺れる草花。
流れる白い雲。
風を切って進む自転車。
空気に響く私の歌声。
何もかもがひとつになって、心地いい時間をつくりだす。
「今日からもう高校生かあーっ!」
「もう部活とか決めたのか?」
「もっちろん!」
「だよな!」
「「軽音部!」」
私の名前は雪野美緒。
今日から私立瀬戸川高校の1年生になります!
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