夜の吐息と魔法の言葉

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「せっかく……名前呼ぼうとしてるのに……何でまた……」 真っ赤な顔で口唇を尖らせる彼女。 その表情が堪らなく愛おしくて、胸の熱が温度を上げる。 「俺?何かイケない事、した?」 「だから、その……キ、……ス」 益々、頬を赤らめていく彼女。 夜空に映る星の光が、白い肌を瞳を口唇を、艶やかに染め上げる。 『 俺の名前、呼んで 』 恥ずかしがる彼女を煽るように、自分の名前を呼んで欲しいなんて願望。 だけど。 一度、口にしたら。 一度、耳にしたら。 多分、後戻りは出来ない。 今夜、かれんを帰したくなくなるから。
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