39人が本棚に入れています
本棚に追加
「……私だって……恥ずかしい、のに」
「んー……何が?」
「……もうっ、柊……、んっ」
……まだ言わせない。
だって、俺。
今、かれんの口から名前を呼ばれたら壊れる自信……ある。
何度熱い口唇を奪ったところで、消えない熱。
また触れた口唇を離すと、かれんは熱い吐息を吐いて上目遣いに俺を見つめた。
「私っ……初めてだって……言ってるのに……」
じんじんと響く鼓膜の奥、微かに虫の音が夏の夜の始まりを告げていた。
最初のコメントを投稿しよう!