夜の吐息と魔法の言葉

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女の子という生物を認識したのも。 瞳が合うだけでドキドキした胸も。 再会した瞬間、感じたビリビリも。 アキが現れた時のイライラも。 キスする瞬間の焦れったさも。 好きって言う気持ちを知ったのも。 そして、その好きって言う気持ちを共有したのも。 全部、かれんが初めて。 俺の“初めて”は全て東雲かれんの物。 「……だろ?」 「……」 何も答えずに視線を逸らしたままの彼女の頬をゆっくりと自分に向けると、かれんは意思を持った強い視線で俺を見つめた。 思わずごくりと息を呑み込んだと同時に、艶めいた口唇が言葉を紡ぎ出す。 「私も……おんなじ、だよ」
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