第1章

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「ど、どうして?利益が一つ消えるんだよ?」 どうやっても、私を引き留めたいようだ。 「もともと、なくてもいいんですよ。それでも、生活が変わるわけでもないですしね。」 「そ、そうなんだ。」 「納得するなって。」 「じゃあ、皆さんに言ってくださいね。もう持ってこないでくれって。」 「だったら、結季ちゃんにもらうからいらないって、言えばいいの?」 「言い方は自由です。そう言ってもらっても構いませんよ?」 「えっ!?言っちゃってもいいの!?」 「いけないんですか?」 「だって、これ言ったらどうなるか。」 「どうなるんです?」 「えっ?利益なくなるし、いじめを受けるかもしれないよ?」 「あー、そうですね。いいですよ、別に。」 「いいの!?」 「えぇ、全然気にしませんよ?それが何か?」 「いいんだ。」 「だって、いじめる人って馬鹿だと思いません?」 「ば、馬鹿って。」 「悲しい人じゃないですか。自分のストレスを、他人に押し付けて解決するんですよ?大変だなとしか思わないです。そういう人は、自分より弱い人をわざわざ見つけて、いじめというものをするものです。本当は、自分の方が弱いことに気が付いていない。そんな人の相手なんかしてる暇、ないですからね。」 「さらっとひどいこと言ってる。」 「そうですか?そうでもないと思うんですけど。」 「それで!?」
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