第1章

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「へぇ、考え方が他の人と違って、益々気に入りそうだよ。」 高砂先輩と思われる人は、さっきよりも目が鋭くなった。 「すごいね。僕は、この子の考え方が怖いな。」 「怖いですか?では。」 「待ちなって。」 話に飽きたので、帰ろうとすると引き留められる。 話が長すぎる。 「まだ何か?」 「明日、僕たちが休みっていうの、知ってるよね?」 「えぇ、私は学校ですけど。先輩たちの開校記念日ですね。」 「そうなんだよ。そこで、君に頼みがあるんだ。」 言われなくても、頼みぐらい想像できる。 「菓子を作れと?」 「話が早くて助かるよ。お願いできるかな?」 「いいですよ。」 「承諾早や!いいのかよ。」 「作るだけですからね。別に、苦ではありません。」 「本当に、いろいろ凄い。」 「買い物今から行くんで、作って欲しいものを言ってください。」 私が買い物行こうと、一歩踏み出そうとしたのだが。 「その必要はない。」 なぜか、否定される。 「はぁ?」 意味が分からない。 では、いったいどうすればいいのだろうか? 「当日に作ってもらうからな。」 ますます意味が分からない。 私は明日学校があるのだ。 できるはずがない。 「何言ってるんですか?そんなことできるはずない。」 「できるよ。結季が学校を休めばね。」
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