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「何を?」
不敵な高砂先輩の笑み。
一体何を考えているかわからない。
読みにくい表情だと思う。
「なんだと思う?」
「さぁ?先輩のやる事なんて予測できませんよ。」
「へぇ?そうなんだ?」
「どうするつもりですか?」
「どうしようかな?」
「・・・・・・・。」
「どうしたの?顔色が悪いけど。」
そりゃあ、何をしてくるのかわからないのだ。
当然の反応だと、わかっているのにあえて聞いている。
でも、冷静を取り戻せる。
「いえ、大丈夫です。」
「本当に?」
顔を覗き込んでくる、高砂先輩。
いやな予感しかしない。
一体何をしてくるのか。
金持ちのすることは大胆だと聞くし、高砂先輩が何してくるのか予想ができない。
「あの、私これから仕事があるので、失礼してもいいですか?」
話題をそらすしか、私にはできない。
とにかく、この状態から逃げ出したかった。
「あぁ、寮長のお仕事かな?」
「わかっているんでしたら、どいてくださらないんですか?おかしくないですか?」
もう私の家のことまで調べているようだ。
情報が早い。
「でも、結季ちゃんを帰したら忘れない?」
もう下の名前で呼んでいる。
「忘れるでしょうね。」
「自信たっぷりだね。」
「だって、覚える必要あるんですか?」
「へぇ、じゃあ。さらってもいいのかな?」
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