第1章

19/67
前へ
/89ページ
次へ
「おい、結季。さっきの奴ら誰だ?」 「んっ?あぁ、高砂先輩たちのこと?」 「高砂?どっかで聞いたことあるぞ。」 「えっ?あるんだ。」 「お前ないのか!?高砂って、あの大企業の社長の名前が、高砂だった気がするぞ。」 そうなんだ。 高砂先輩なんて、他の女子が言っていたのを聞いただけだし。 「へぇ、そうなんだ。高砂先輩ってそんなにすごい人だったんだ。」 「じゃあ、周りにいた奴らもすごいってことだろうな。」 「そうかもね。でも、私は高砂先輩しか名前知らないし。そうでもいいけどね。」 聞いたことあるんだろうけど、たぶん興味なかったから、右から左に流したんだろうな。 あの時も、名前なんて聞かなかったし。 「知らないのか?」 「うん、興味なかったし、聞く必要もないからさ。」 「結季って、本当に変わんないよな。小海もだけど、いいコンビだよ。」 真は小海を知っている。 小学校の時は一緒だったのだ。 「そう?ほめ言葉にしか聞こえないわ。」 「まぁ、気を付けろよ?前みたいなことないようにな。」 「えぇ、一応気を付けておくわ。」 高砂先輩ってそんなにすごい人なんだ。 じゃあ、明日は何が起るかわからないって、ことなのか。 「私が、休めば・・・か。」 「んっ?どうしたんだ?ボーとして。」 「いいや、何でもない。さっさと作ろうか。」 「そうだな。」 考えてもしょうがない。 全ては、明日わかることだから。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加