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「行ってきます。」
「おい、結季。」
「真?どうしたの?」
「気を付けろよ。」
「えぇ、わかってるわ。」
いつも通りの朝。
学校に行くだけなんだから、考えなくて良し。
この菓子を持って行って、あの人たちに預ければいいだけ。
私は先輩たちに渡すつもりはない。
学校が見えてきた。
すでに学校の校門前には、女子たちが待ち構えている。
今日は休みのはずなのに、待っているなんて。
よくできるものだ。
これを渡して、さっさと学校に入るべきだ。
しかし、私の願いは叶わずに、崩れていった。
リムジンと呼ばれる、やけに長い車が止まった。
「まずい。逃げないと、何されるか。」
「おっと、逃げるなんて。許さないよ?」
逃げる私に気付いた先輩が、急いで出てきた。
私の手を引き、先輩に捕まってしまう。
目の前では、今の状況が理解できない様子でこちらを見ている女子の姿。
理解でいないのはこっちだ。
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