第1章

21/67
前へ
/89ページ
次へ
「なに、するんですか?私は、先輩たちに用なんてありませんから。」 「だって、逃げるなんてさ。いけないことでしょ?」 「逃げてないですってば。気のせいなんじゃないんですか?」 「気のせいじゃないよ?だって、君が当選したんだ。」 「はぁ?当選?何の話ですか?」 「当選は当選だよ。じゃあ、この子をもらっていくよ?」 「ちょっ、待ってくだ・・・きゃあ。な、何するんですか?」 急に持ち上げられる。 何のことなのか理解できない。 制止する私を無視て、男子校に向かって歩き出す先輩。 「放してくださいって言ってるのが、わからないんですか?先輩ってば!」 「暴れるなって。素直に来ればいいんだよ。」 「私には、そういう言い方をなさるんですね。」 「結季にしか、こんな姿なんて見せやしないよ。」 「そうですか。あの子たちにも見せればいいじゃないですか。」 「・・・・嫌だよ。」 「えっ?」 「あいつらなんて、嫌いなんだ。」
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加