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「おっ、高砂。遅いじゃんよ。」
「その子が例の?なかなかだな。」
ただの冷やかしだ。
私は、そういうのは興味ないので、何も思わない。
「そうそう、俺の婚約者。手だすんじゃねぇーよ?」
「こ、婚約者!?何言ってるんですか!?」
「あれ?知らねぇーの?」
先輩は当然のような顔をしている。
何が起っているのか、さっきから理解ができない。
「城夏西女子高って、俺らの婚約者を決めるために建てられたんだよ。」
「えっ?ちょっ、待ってくださいよ?頭がついていかないです。」
「ついてこなくていいから聞け。そんで、俺が選んだのがお前ってことだ。」
「いや、もっとわかんないです。」
「もともと、ここが共学だったことは知ってるか?」
「そうなんですか。知らなかったです。」
「そうか・・・。まぁ、とにかく共学だったんだ。その時の目的は、婚約者を選ぶことだった。しかし、女子があまりにも競争が激しく、男性側が選ぶことがままならなくなった。だから、男女とも学校を分けて、男性側が婚約者を指名することになったんだ。」
「そ、それってどこまでが本当の話ですか?」
「全部真実だよ。」
「怪しすぎる。先輩、嘘ついてません?」
「ここで嘘ついても、何にもならないだろ。」
「頭、大丈夫ですか?私、庶民なんですけど?」
「そんなの、俺には関係ないね。あの学校に入っていればいいんだよ。」
「むちゃくちゃです!そもそも、私は・・・。」
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