第1章

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「おっ、高砂。遅いじゃんよ。」 「その子が例の?なかなかだな。」 ただの冷やかしだ。 私は、そういうのは興味ないので、何も思わない。 「そうそう、俺の婚約者。手だすんじゃねぇーよ?」 「こ、婚約者!?何言ってるんですか!?」 「あれ?知らねぇーの?」 先輩は当然のような顔をしている。 何が起っているのか、さっきから理解ができない。 「城夏西女子高って、俺らの婚約者を決めるために建てられたんだよ。」 「えっ?ちょっ、待ってくださいよ?頭がついていかないです。」 「ついてこなくていいから聞け。そんで、俺が選んだのがお前ってことだ。」 「いや、もっとわかんないです。」 「もともと、ここが共学だったことは知ってるか?」 「そうなんですか。知らなかったです。」 「そうか・・・。まぁ、とにかく共学だったんだ。その時の目的は、婚約者を選ぶことだった。しかし、女子があまりにも競争が激しく、男性側が選ぶことがままならなくなった。だから、男女とも学校を分けて、男性側が婚約者を指名することになったんだ。」 「そ、それってどこまでが本当の話ですか?」 「全部真実だよ。」 「怪しすぎる。先輩、嘘ついてません?」 「ここで嘘ついても、何にもならないだろ。」 「頭、大丈夫ですか?私、庶民なんですけど?」 「そんなの、俺には関係ないね。あの学校に入っていればいいんだよ。」 「むちゃくちゃです!そもそも、私は・・・。」
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