第1章

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離れていくクラスの女子生徒。 名前なんだっけ? いちいち覚える必要なんてない。 私は女子の小海だけで、いいのだ。他の人なんて気にする必要はない。 「いいのあれ?」 「さぁ?いいじゃない?オペラとか勘弁してほしいしね。」 「酒入っているから?」 「いや、あのケーキめんどくさいから、かな?」 「そんなに?」 「うん、すごく難しいケーキだからさ。正直、作れる自信がないんだよね。」 「あー、じゃあいっか。」 「うん。」 酒を使わないオペラもあるけど、技術がいるとても難しと言われるケーキの一つ。 さすが、お金持ちの息子だけのことはある。 さっきの女子が言っていた高砂先輩とは、私もよくは知らないが、有名な会社の社長息子で、イケメンなんだとか。 とにかく、女子高内で人気ナンバーワンの男子生徒らしいのだ。 私は・・・・・見たことあるような?無いような? まぁ、興味がない。たぶん、見たことはあるかもしれない。 あっ、言わなくてもわかるだろうが、先輩というぐらいだ。 高砂先輩は、高校三年生。ちなみに、私は高校二年生だ。 高校の入学式の後、クラスの人に菓子をあげたところ大好評で、隣の男子校の男子生徒にあげたいから作ってほしいと頼まれるようになった。
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