第1章

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本番は、これからだ。 これはいつものことなので、慣れている。 「今度、先輩に喜ばれるようなスイーツ作ってあげるから、通してくれない?」 「えっ?また作ってくださるの?」 「前も喜んでくれたんでしょ?」 「そうなの!わかったわ!任せてちょうだい。」 「どいてくださる?救世主のお通りよ。」 この人間は、便利な人間です。 名前は・・・神・・・何とかさんだったような? とにかく、この人もお金持ちの社長令嬢らしい。 前はシェフに作らせていたスイーツは受け取ってもらえず、なので手作りしたら失敗したそうだ。 そこで、私の噂を聞きつけ、実際に作って欲しいと言われ、作って持って行ったら受け取ってもらい、喜んでもらったらしい。 それ以来、こうして色々としてもらっているのだ。 「あっ、高砂先輩たちだわ。」 「お願いね。じゃあ、ご機嫌よう。」 「わかったわ。明日、プチデコレーションケーキ作ってくるわ。」 高砂と呼ばれる人間と目があった気がしたが、気にはしないのだ。 他の女子とは違うから。
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